教育長室だより(令和5年2月)

 性格良い子、悪い子        (令和5年2月28日筆)

 同じ子どもの写真をみせても「性格が良い」と聞いた場合は見た目の評価が高くなり、「悪い子」は低い傾向にとなる。京都大学の研究グループが幼児の性格情報と印象などの関係を調べた実験結果だという。「かわいさ」は見た目だけではないと裏付けされたとしています。
 子どもを持つ女性と持たない女性に3~5歳の児童の顔写真をオンラインで提示し、先ず、見た目のかわいさや印象について評価してもらった後で、「お手伝いを進んでする」「よくけんかして友だちをたたく」といった性格に関する情報と一緒に顔写真を見せ、改めてかわいさなどの評価をしてもらった。その結果、好ましい性格情報と一緒に見せたグループはかわいさの評価が最初の評価より上がり、嫌われやすい性格情報のグループは下がったそうです。
 この記事を見て私自身も同じような経験があったことを思い出しました。役場に就職して間もない頃、まだ一度も会ったことのない大先輩職員の方に「お前はどうもならんやつだ」と言われ戸惑ったこと。また、私以外の若い職員(同じく会話したこともなく、一緒に仕事したこともないはず)のことを「あいつは使えない、どうもならんやつだ」と吹聴している中堅職員がおりました。残念ですがおそらくは見た目に加え、他の誰かが言っていたことを真に受けての発言だろうと思います。
 人の見た目の印象に損得はあるのは否めませんが、耳から入る情報のほうが強く人の印象に影響するのだと思います。
子どもの話に戻りますが、先の実験では「子どもの悪い面に注目すると、かわいいとの感情が低下する可能性を示している一方、他人との交流などによって良い面について聞けば、低下した気持ちを回復することができるかもしれない」と研究グループの先生は話しています。
 子どもは褒めて伸ばす。日々の生活のなかで子どもの良い面を少しでも多く見つけてあげて、かわいい印象を大きく膨らませて、そして子どもに寄り添い関わりながら成長を見守る、また、共に成長することができたらどんなに幸せなことか。それは、学校現場でもご家庭でも地域の皆さんも同じです。
 加えて、私たち大人も家族はもとより友人、知人、職場の同僚、他人の良い面に目を向けて笑顔で毎日を過ごしたいと思いませんか。


 
教育長 加藤 友幸

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