教育長室だより(令和3年12月)

 こども庁            (令和3年12月23日筆)

 国は「こども庁」を設置すると発してからしばらく経ちますが、準備は進めているのだろうけど、現在のところ設置には至っていません。
 内閣府、文部科学省、厚生労働省との関係はどうなるのでしょうか。
 社会が益々複雑化するに比例して、子どもを取り巻く環境も大きく変化して様々な問題を引き起こしていますが、その原因は大人社会にあります。
 子育て支援は必要と思いますが、虐待等の問題対策ではなくて、子どもを安心して産み育てることのできる社会、子どもが安心して育てられ、守られ多くの選択肢をもって自立し、将来、社会を担いながら幸せに暮らすことができるための「こども庁」であってほしいと思います。
 おとな庁、こうれいしゃ庁、いりょう庁、全部ひっくるめて、「しあわせ庁」、「あんしん庁」「あんぜん庁」だってあったてもいいのでは、ひねくれた考えですかね。
 こども庁と聞くと私としては、真っ先に「こども店長」を思いうかべます。そうです、タレントの加藤清史郎くんです。一時は画面から消えていたようですが、最近は立派に大人に成長した彼をテレビで見かけるようになりました。
 こども庁という名称を付けたのは誰なんでしょう。国の省庁は従来、お堅い名称ばかりでしたが、カタカナ表記の「デジタル庁」や「スポーツ庁」など最近は分かりやすいものがでてきましたが、「出入国在留管理庁」など覚えられない名称のものもあります。
 さて、「こども庁」、聞こえは良いし、ひらがな表記で柔らかくて可愛らしい印象ですが、今一つピンとこないのは私だけでしょうか。いったい何のためにつくって何をやろうとしているのでしょうか。
 子どもの支援活動を展開するS公益社団法人が18歳以下の子どもを対象に実施したアンケート調査結果の一部を紹介しますと、小中学生の困りごとのトップは「授業や勉強のこと」、小学生では「新型コロナウイルス感染症」、中学生が「進学や受験、就職のこと」が2番目でした。
 また、子どものための庁や法律を国が作ることについては、「とても期待する・期待する」が半数の46%でその理由は、「今までにない新しい政策だから・何かが変わったり対策をしてくれると思うから」など現状が変わることへの期待感あることのようです。一方「あまり期待しない・全く期待しない」が33%でその理由としては、「今までにこどもに身近な問題が解決された実感がないから・本当に何かが変化するのか疑わしいから」などと回答しています。
 そのほか、「大人はあなたの考えや意見を聞いてくれると思うか」、「子どもの権利を知っているか」など問うていますがS法人の分析によると、「困りごとや心配ごとなどは多岐にわたり、中には本音が言いづらいこともある」といい、このため、匿名性を担保した上で、子どもが意見を言いやすくなり、意見表明が問題解決に繋がりやすくなる可能性があることを指摘しています。
子どもの声が反映される仕組みをつくり、大人側もその声を聴く姿勢を持つことが大切なのだと思います。
 さて、小清水の子どもたちはアンケート調査にどう回答するのでしょうか。「あまり分からない・わからない」との回答が多くないことを期待しますが、例えば「GIGAスクールPC端末の活用やルール、SNSやいじめ、先生に求めること等々」、対面する場では子どもが話しやすい雰囲気や環境をつくり、言いにくいことは匿名方式とするなどして子どもたちの声、意見を聞いてフィードバックして行くことが重要だと私も思います。
 早いもので師走に入りもう数日でお正月です。
 昨年から続いている新型コロナウイルス感性症が減少してきて緊急事態宣言が解かれましたが、ここにきて変異株のオミクロンが日本国内でも市中感染が発生し第6波が懸念されるとのニュースが流れています。
 感染症対策は引き続き行っていかなければなりませんが、良薬ができて「マスク着用・手洗い・うがい」、自身の体調をみて密を避けて行動するなどして少しずつでも普段の生活に戻れるような年となりますようにと全力でお祈りしています。
 
教育長 加藤 友幸

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