教育長室だより(令和3年8月)

 早寝早起き朝ごはん           (令和3年8月25日筆)

 異常に暑かった夏も先週の雨を機に朝夕に涼しさを増してようやく秋の足音が聞こえてきそうな感じで、「秋の来ない夏はない」と言ったところでしょうか。
 五輪の開催、夏休み、お盆もあってか新型コロナ感染が拡大の一途を辿っており、本日、緊急事態宣言の対象に8道県が追加承認されました。期間は今週27日から9月12日まで。
 本町の小・中学校ではすでに二学期が始まっています。中学校では先週に修学旅行が行われ、生徒全員が思い出を胸に事故無く元気に戻りました。
 コロナ禍において「学びを止めない」としてGIGAスクール構想の取組を進めていますが、学習面だけでなく見聞を広げ社会性を身に付けることもとても大切なことです。仲間達と協力し合うこと、助け合うこと、相手を思いやること、頑張ること、学校行事や部活動をとおして笑ったり、泣いたり、幼なじみ、一生の友だちをつくること。子ども達にとって何より一番大切なこれらのことがコロナ禍において置き去りにされているのではないでしょうか。
 学校現場ではこれまでとは違うけれども工夫したなかで、新しい発想のもとで行事等に取り組んでほしいと思います。教育委員会としても応援して参ります。
 さて、「早寝早起き朝ごはん」の国民運動が平成18年4月にスタートして16年を迎えました。私が教育長に就任してから間もなく4年が経過しますが、そんなに前からあったとは知りませんでした。
 教育資料によりますと、この間、朝食を毎日食べる子どもの割合が約15%も増加しており、保護者の規則正しい生活習慣のしつけに関する意識が高まり、更に夜10時以降に寝る幼児の割合が減少するといった効果が上がっているようです。
 また、脳科学においても、脳の発達にとって、「早寝早起き朝ごはん」が大切であることが立証されています。子どもの頃(小3~4年)の規則正しい生活習慣の実践や、様々な体験活動等が、大人になった時の自尊感情やへこたれない力等の資質・能力にどのような影響を与えているのか、平成30年以来調査研究を行ってきた結果が公表されているのでその一部をご紹介します。
①子どもの頃「早寝早起き朝ごはん」という規則正しい生活を送っていた人ほど、大人になった現在の資質・能力が高い傾向が見られる。また、年代別にみると、年代が若い人ほど相関関係が強かった。
②子どもの頃「早寝早起き朝ごはん」という規則正しい生活を送っていた人ほど、家庭の経済状況に関わらず、大人になった現在の資質・能力が高い傾向が見られる。また、親から生活習慣に関するしつけを受けていた人ほど、家庭の経済状況に関わらず、大人になった現在の資質・能力が高い傾向が見られた。
③子どもの頃「早寝早起き朝ごはん」という規則正しい生活を送っていて、体験活動をよく行っていた人ほど、家庭の経済状況に関わらず、大人になった現在の資質・能力が高い傾向が見られる。
④子どもの頃に朝の活動、自然体験や動植物とのかかわりなどの体験活動、体験活動の質(遊び、付き合い、食べること)が高かった人ほど、大人になった現在の資質・能力が高い傾向が見られる。
  (以上の概要についてお知りになりたい方は、ご一報ください。)

「早寝早起き朝ごはん」は自立した人間への第一歩です。
 子ども達の健やかな成長はもちろんのこと、私たち大人も実践しましょう。
 私はというと歳のせいもあってか早起きが過ぎて、本意ではありませんが休日も午前中で一日が完結します。
 
教育長 加藤 友幸

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