教育長室だより(令和3年5月)
成人式を終えて (令和3年5月6日筆)
昨年、新型コロナウイルス感染症が日本でも確認されて以降、晩酌も味気なく私は、毎日毎日とても悩ましい日々を送っていました。新型コロナの感染症対策は学校現場の他にも社会教育・社会体育施設など日々変わる感染拡大に伴う対応、教委職員はその対応に追われていました。
そのことに加え、一生に一度の晴れ舞台となる成人式の開催、晩夏の頃より当然のことながら担当職員は1月10日の式典開催に向けて準備を進めており、新成人の対象者やご来賓への案内も終えていました。
しかし、感染拡大は続いていますし、年末年始における人の往来、感染者が多く発生している都市部から参加する新成人のことを考えると開催していいものかどうか。たとえ感染対策を万全に行ったとしても、また、成人式が原因となる感染者が出なくても、新成人やご家族の思いと町内に感染者が出たことを考えると心が揺れ動きます。隣町や管内の自治体はどうするのだろうか。担当者に情報収集をお願いしました。感染対策をして実施する町、中止を決めた市、映像を流すなど工夫して実施する町、5月や8月に延期した市町など色々でした。何れも悩みに悩み抜いて決断したのだろうと思いました。結果、本町では5月2日に延期の判断をしました。
女性の方は、着物のレンタルや着付けなど1年以上前からの予約が必要との声も耳にしました。キャンセル料の補償は考えていませんし、延期した場合のことを思うと申し訳ない気持ちで一杯でした。
感謝したのは、この未曾有の事態に納得されておられたのか延期決定に対する反対の声は一つもありませんでした。
本年3月に入っては感染対策に十分留意して、また、新成人とご家族にもご理解をいただいて何としても開催しようと、心も新たに式典に向けた再準備が始まりました。
何か工夫をとの担当者の思いで、恩師の先生からのコメントや学び舎や行事などのオープニング映像も準備しました。
しかし、緊急事態宣言が解かれたものの、4月に入り人の動きや花見、歓送迎会の時期もあってか、第4波、「まん防」の報道が連日流れるようになり、またまた何だか怪しい気配です。また、紋別市では来年1月9日に開催を延期する旨の報道を16日朝刊で目にして以降、同市の近隣町でも延期の決定がなされ、更には、網走市では飲食店と学校で感染者が発生するなど、とても悩ましい状況になってきました。
でも、今回は何としても新成人をお祝いしたい。
迎えた当日、5月とはいえ此方はまだまだ寒い。予想どおり晴れ着の装いでも寒そうな新成人が、ご家族が愛ホールにやってきました。受付では、検温、健康チェックなどが始まりました。職員の指示に従って感染対策にご協力いただきたいと祈りながら、お祝いの日なので顔は「にこやかに」、でも心の中では「無事に早く終わってほしい」、そんな複雑な心境で皆さんをお迎えしました。
新成人と保護者、関係者の皆さんのご理解の下、私の不安をよそに式は粛々と始まり、最後の写真撮影を終えて事無くお開きとなりました。
会場入り口では、式典看板をバックに嬉しそうに友人や家族と写真を撮る光景を目にして、開催してよかったと思うと同時に、仕事などで参加できなかった方、感染を重視して外出・移動を避けた方、ご家族とギリギリまで検討して欠席された方もいるのだろうと思うと、とても複雑な気持ちです。
本来であれば、年も改まったお正月明けに成人式が開催され、仲間と楽しくおしゃべりをして、スナップ写真を撮り、日が落ちてからは賑やかな宴となるところですが、新成人の皆さんには今一つ満面の笑顔で喜べない気持ちが各々あるのではないのかなと思いました。
成人式の由来は、「第二次世界大戦の敗戦間もない昭和21年、埼玉県の蕨町(現:蕨市)において実施された「青年祭」がルーツとなっているのが定説で、敗戦により虚脱の状態にあった当時、次代を担う青年達に明るい希望を持たせ励ますため、当時の青年団長が青年祭を企画して行われ、これが全国に広まり現在の成人式となった。 これに影響を受けた政府が、昭和24年から成人の日に指定しそれ以降、ほとんどの地方で行われるようになった。」と言われていますが、現在の成人式は、同窓会的な要素が強いと言われているようです。
来年4月1日からは民法改正により成年年齢が18歳に引き下げとなりますが、令和4年度以降の成人式の参加対象年齢は、本町ではこれまでどおり20歳とする方針を決定しています。
何はともあれ新成人の皆さん、おめでとうございました。
ふるさと「小清水」の成人式にご参加いただいてありがとう!
教育長 加藤 友幸
教育長室だよりバックナンバー
昨年、新型コロナウイルス感染症が日本でも確認されて以降、晩酌も味気なく私は、毎日毎日とても悩ましい日々を送っていました。新型コロナの感染症対策は学校現場の他にも社会教育・社会体育施設など日々変わる感染拡大に伴う対応、教委職員はその対応に追われていました。
そのことに加え、一生に一度の晴れ舞台となる成人式の開催、晩夏の頃より当然のことながら担当職員は1月10日の式典開催に向けて準備を進めており、新成人の対象者やご来賓への案内も終えていました。
しかし、感染拡大は続いていますし、年末年始における人の往来、感染者が多く発生している都市部から参加する新成人のことを考えると開催していいものかどうか。たとえ感染対策を万全に行ったとしても、また、成人式が原因となる感染者が出なくても、新成人やご家族の思いと町内に感染者が出たことを考えると心が揺れ動きます。隣町や管内の自治体はどうするのだろうか。担当者に情報収集をお願いしました。感染対策をして実施する町、中止を決めた市、映像を流すなど工夫して実施する町、5月や8月に延期した市町など色々でした。何れも悩みに悩み抜いて決断したのだろうと思いました。結果、本町では5月2日に延期の判断をしました。
女性の方は、着物のレンタルや着付けなど1年以上前からの予約が必要との声も耳にしました。キャンセル料の補償は考えていませんし、延期した場合のことを思うと申し訳ない気持ちで一杯でした。
感謝したのは、この未曾有の事態に納得されておられたのか延期決定に対する反対の声は一つもありませんでした。
本年3月に入っては感染対策に十分留意して、また、新成人とご家族にもご理解をいただいて何としても開催しようと、心も新たに式典に向けた再準備が始まりました。
何か工夫をとの担当者の思いで、恩師の先生からのコメントや学び舎や行事などのオープニング映像も準備しました。
しかし、緊急事態宣言が解かれたものの、4月に入り人の動きや花見、歓送迎会の時期もあってか、第4波、「まん防」の報道が連日流れるようになり、またまた何だか怪しい気配です。また、紋別市では来年1月9日に開催を延期する旨の報道を16日朝刊で目にして以降、同市の近隣町でも延期の決定がなされ、更には、網走市では飲食店と学校で感染者が発生するなど、とても悩ましい状況になってきました。
でも、今回は何としても新成人をお祝いしたい。
迎えた当日、5月とはいえ此方はまだまだ寒い。予想どおり晴れ着の装いでも寒そうな新成人が、ご家族が愛ホールにやってきました。受付では、検温、健康チェックなどが始まりました。職員の指示に従って感染対策にご協力いただきたいと祈りながら、お祝いの日なので顔は「にこやかに」、でも心の中では「無事に早く終わってほしい」、そんな複雑な心境で皆さんをお迎えしました。
新成人と保護者、関係者の皆さんのご理解の下、私の不安をよそに式は粛々と始まり、最後の写真撮影を終えて事無くお開きとなりました。
会場入り口では、式典看板をバックに嬉しそうに友人や家族と写真を撮る光景を目にして、開催してよかったと思うと同時に、仕事などで参加できなかった方、感染を重視して外出・移動を避けた方、ご家族とギリギリまで検討して欠席された方もいるのだろうと思うと、とても複雑な気持ちです。
本来であれば、年も改まったお正月明けに成人式が開催され、仲間と楽しくおしゃべりをして、スナップ写真を撮り、日が落ちてからは賑やかな宴となるところですが、新成人の皆さんには今一つ満面の笑顔で喜べない気持ちが各々あるのではないのかなと思いました。
成人式の由来は、「第二次世界大戦の敗戦間もない昭和21年、埼玉県の蕨町(現:蕨市)において実施された「青年祭」がルーツとなっているのが定説で、敗戦により虚脱の状態にあった当時、次代を担う青年達に明るい希望を持たせ励ますため、当時の青年団長が青年祭を企画して行われ、これが全国に広まり現在の成人式となった。 これに影響を受けた政府が、昭和24年から成人の日に指定しそれ以降、ほとんどの地方で行われるようになった。」と言われていますが、現在の成人式は、同窓会的な要素が強いと言われているようです。
来年4月1日からは民法改正により成年年齢が18歳に引き下げとなりますが、令和4年度以降の成人式の参加対象年齢は、本町ではこれまでどおり20歳とする方針を決定しています。
何はともあれ新成人の皆さん、おめでとうございました。
ふるさと「小清水」の成人式にご参加いただいてありがとう!
教育長 加藤 友幸
教育長室だよりバックナンバー