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小清水原生花園「火入れ」

小清水原生花園火入れとは??

 
小清水町は毎年5月初旬のまだ肌寒い早朝から、小清水原生花園に植生回復(火入れ)を実施しています。それはなぜなのか、平成30年5月10日に行われた火入れ風景とともにご紹介いたします。
 
小清水原生花園、網走国定公園に指定され、平成16年には次世代に引き継ぎたい北海道の宝物として、北海道遺産にも登録されています。毎年夏にはクロユリ、ハマナス、エゾスカシユリ、エゾキスゲなど色とりどりの花が咲き、小清水町の代表的な観光名所となっている場所です。しかし、その花々が毎年綺麗に咲くのは、その場所を整備しているからというのはご存じでしたか?

 エゾキスゲ
 
小清水原生花園には枯れ草や牧草など、花に必要な栄養を奪い、日の光を遮る植物が多々あります。それらの植物を焼いて、花が咲く環境を整えるのが火入れの役割です。
 
枯草や牧草を焼いてしまったら、一緒に花も焼いてしまうのでは?と思った方もいるでしょう。ですがそこはご安心ください。花が咲くのは6月以降で、まだ地上に顔を出していません。火入れを行う5月上旬には牧草、枯草などの植物のみが地表に出ているのです。よってこの時期に火入れを行うということは、火入れの効果が一番出る絶好のシーズンなのです!

              エゾスカシユリ 
 
火入れの歴史を遡ってみると、1960年代までは、馬、牛の放牧、釧網線を蒸気機関車が走っていたため、火の粉からの野火が発生したり等で、今の火入れのような状態が自然となされており、牧草などの植物は生い茂ることがありませんでした。しかし、蒸気機関車が廃止され、放牧もされなくなった1980年には牧草用に輸入した植物が多く生育し、1990年代にはかつて美しかった小清水原生花園にあった花々の姿はもうそこにはありませんでした。
そこで小清水原生花園を復活させるべく、研究機関に調査を依頼し、火入れの実施が始まったのが今から25年前にもなります。
 
では実際にどのように火入れが行われているのご紹介いたします。
平成30年の実施は5月10日、実施予定日だった8日は前日から雨が降り出し、枯草が燃える状態ではないと判断し、予備日での実施でした。
 
火入れ作業は小清水町やオホーツク総合振興局、網走南部森林管理署、JR北海道などで構成されている「網走国定公園小清水原生花園風景回復対策協議会」の総勢140人ほどで行われました。
原生花園の花が集中的に咲くエリア、66ヘクタールを4分割して今回は、そのうち15ヘクタール(全長1.5km)を国道から線路の間、線路をまたいだ海側への二つのエリアに火入れをしていきます。4分割して火入れを行っていくことで、雨天中止の年があったとしても、4~5年に一度は火入れが入るようになっています。
この1.5kmにわたる火入れは15のチームに分かれて実施をします。1チームの構成は3人、ガスバーナーで火をつけていく「火付け班」、ジェットシューターを背負って事前の散水や火入れ後の消火をする「シューター班」、火付け班の補助とスコップでの消火補助をする「スコップ班」となっています。

作業員それぞれが配置につき、まずは、線路の枕木、電柱に入念に散水をします。これは延焼や飛び火を防ぐために大事な作業です。また、電柱の周りや火入れをする1.5 kmの両脇には防火帯として草を刈り延焼などの事故が起きないような対策は万全です。
 
そして午前5時、火入れの合図をきっかけに国道側から15か所それぞれで火入れを開始します。今年は雨が続き、燃えないのでは? と懸念されましたが火は勢いよく線路側に燃え広がっていきます。背の高い枯草が黒い灰になっていく様子はまさに一瞬です。早朝の気温は3℃とかなり寒かったのですが、火入れを開始した途端、熱さに汗ばむほど火の勢いは強くなりました。
 
 火付け班の作業の様子

 
午前5時25分、消火の合図をきっかけにシューター班が燃えているところがあっても消火作業にかかります。予想に反してよく燃え広がった火は線路ぎりぎりまで牧草、枯草を焼くことができました。ここでも、電柱や枕木に延焼しないか、それぞれが自分たちの持ち場を確認します。必ず全区域の消火が確認されるまでは、待機が必要です。ここでも安全確認には余念がありません。
 
午前5時50分、合図をきっかけに線路を越えて海側への2回目の火入れを開始します。こちらもあっという間に火が燃え広がります。今年は風向きが海よりだったため、煙も火も上手く意図する方向へと広がりましたが、この風向きが逆の場合は作業員が煙や火にまかれることもあり、とても危険な状態になります。
 

  


午前6時30分、火入れ終了の合図とともに消火活動に移ります。こちらも燃え残り、消し忘れがないかチェックします。そして始発の電車が通り過ぎるまでは海側での待機をします。海側から火入れをした全区域を見渡すとその広さに圧倒されます。国道からは見ることができない景色が一望でき、またここにきれいな花が咲くと思うと今から楽しみでなりません。

 火入れ後の原生花園
 
JR職員が安全を確認し、始発電車の通過を見送ります。それと同時に国道の通行規制も解除されます。午前7時30分、すべての作業員が道路に戻ってきたのを確認し、作業終了となりました。
 
このようにして、各関係機関と連携して毎年の火入れを実施しています。連携や準備は万全に行っていますが、その日の環境、天候に大きく左右される火入れは当日になってみないとわからないものです。
しかし、毎年火入れを実施しているからこそ、美しい花々が咲いているのです。
 
小清水原生花園は花の見頃は例年6月から8月となっておりますので、皆様のお越しをお待ちしております。
 
ぜひ綺麗な花々を見に来てください。

お問い合わせ先

産業課商工観光係
電話:0152-62-4481